 ラケット材質
ラケットは、その材質により性格が多様に変貌いたします。種類といたしましては、大別して「単板（写真上）」，「合板（写真中央）」，「新素材」に分けられます。
単板の中でも、材質，厚さ等により性格は異なり、合板の中でも枚数，材質，芯材の厚さ等により性格は異なり、新素材の中でもインサートする材質により性格は異なってきます。
単板
その名の通り単一の木材、すなわち一枚板で形成されたラケットをさします。
単板ラケットの材質は「檜」材がほとんどで、まれに「桂」材を使用したラケットもあります。その他の木材は「重量の問題，弾みの問題」等により残念ながら卓球ラケットとしては使用には適しません。（余談になりますが檜は英語で「Ｃｙｐｒｅｓｓ」といいます。そういえばバタフライでこの名称のラケットがありますね。）
「檜」材は、柾目に木取りされており、目が細かく平行に揃っている材ほど性能も良く高価になります。
POINT!!
産地は、ほとんどが「木曽」で一般的には「木曽檜」として世界中に有名となっております。ちなみに、最上級品は、木曽檜の中でも北側の斜面で伐採された材からセレクトされます。北側斜面で育った檜は日射量が少ないため成長が遅くなり、その結果目が細く詰まった最高級品となります。 |
性能的な特長としましては、「独特のソフトな打感でありながら良好な弾み」ということが挙げられます。
檜単板が採用されているラケットは実質的にペングリップタイプのみとなっております。これは、必要な強度を確保するためには９ミリ程度の厚さが必要となりますが、その場合シェークのブレード面積では重くなりすぎ、また両面にラバーを貼る都合上ラケットが厚くなりすぎ、さらにシェークは横幅が広いため材料の確保上不都合が生じるという理由によります。（ドクターＱでは近将来的にシェーク単板のラケットの開発を検討しております。お楽しみに。）
| このように檜単板は打感や弾み等の性能で理想的な素材ではありますが、唯一木目方向に割れやすく、また湿度の影響を受けやすいという欠点を持っております。そのため、木目がクロスするように張り合わせた檜３枚合板をこの単板の範疇に入れる場合もあります。 |
合板
卓球のスタイルの変容や４０ミリボールへの対応，多様な性能設計への対応やシェークラケットの大幅な需要上昇等の事情により合板ラケットの開発は著しく進展し、現在ではほとんどのラケットが機能性合板となっております。
POINT!!
単板は檜材または桂材しか使用できませんでしたが、合板の場合には、中国材，ヨーロッパ材，アフリカ材等の種々の性質，コストの木材が使用できます。 |
性能的にも、硬い材質や柔らかい材質，重い材質や軽い材質，弾む材質や鈍い材質等を組み合わせることにより無限の性質を設計することが可能となりました。
コスト的にも単板に比較して張り合わせのコストはかかりますが、それを差し引いても総コストは低くなるというメリットもでました。
| 一般的には５枚合板が多用されますが、合板枚数が多くなるほど打感は硬めになり，重くなり，弾みが良くなる傾向となります。また、木目をクロスすることにより充分な耐久性も確保できることとなります。（１３枚合板というツワモノもあります。一度見てみたいですねー。） |
新素材
新素材とは、木材以外の材質のシートをラミネートしたラケットをいいます。
具体的には、カーボン，ケブラー（デュポン社登録商標），ポリアリレート，グラスファイバー，テクサリウム，チタン等の機能性素材およびケブラーカーボン，カーボングラスファイバー，アリレートカーボン等機能性素材を組み合わせたシートがラミネートされております。
POINT!!
なぜシートかといいますと、ラケットのルール上は、「ブレードの厚さは８５％が木」ということとなっており、そのため機能性材料はブレード厚の１５％以内に抑えなければならないためシート状繊維素材をラミネートするという手法が採られております。 |
性能的な特徴としましては、弾み性能を重視したカーボンやチタン，スピン性能や柔軟性を重視したケブラーやポリアリレートと、設計する性能に応じて使い分けがされております。
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